2012年にニートの歩き方
でブレイクしたphaさんが、2015年に出した本が「持たない幸福論」。
第一章 働きたくない
第二章 家族を作らない
第三章 お金に縛られない
第四章 居場所の作り方
となっている。わかりやすい。だるそうな本のように第一印象では思ってしまうかもしれないが、読んだ後には、地に足をつけてしっかり考えて書かれた本のように思える。やっぱり人間物事をじっくり考えるには、大量の時間が必要なのだろう。p.8~9から引用する。
要は、多くの人が普通にこなせないものを「普通の理想像」としてしまっているから、みんなその理想と現実のギャップで苦しむのだ。そんな現状と合っていない価値観からは逃げていいと思う。そんな価値観に従うのは自分で自分の首を絞めるだけだ。
やりたくもないことを、理想にしてはいけないと思う。こなせないなら尚更。
また、第一章のp.27には
要は、みんな何もせずにぼーっとしているのが苦手だから、何か意味のありそうなことを見つけてやって時間を潰しているだけ、ということが世の中には多い気がするのだ。
と書かれていて、それはそうだと思った。休みの日にはスケジュールをぎっしりいれないと不安な人を、いろんなところで見てきたし。たとえ休みを取っても休めない人達・・・。
第二章では、phaさんの原体験が京大での寮生活にあることが説明されている。後のシェアハウスの原型となるイメージが京大の学生寮だったのだろう。
そういえば私も一時期大学の仮設寮(学生用有料賃貸仮設住宅)に住んでいたことがあるけど、確かに学生同士の情報交換とか、キッチンを共有することで会話が増えるとか、そういう利点はあった。
でも京大のような学生寮文化はなかったし、家庭教師で生徒の家を訪れたときに、「やっぱりちゃんと建ってる普通の家はいいなー」と思って結局寮を出たので、しっかりしたコミュニティを持った寮であることとか、建物がちゃんとしてることが大事なのかもしれない。
というか、寮生活を通じてphaさんは人と暮らすことの利点や楽しさを知り、私は人と暮らすのはちょっと苦手だなーという結論に至ったのかもしれない。人それぞれ自分に合ったライフスタイルがある。
第三章は「お金に縛られない」で、phaさんは主に人と共有することや、自分達で作ることで、必要な費用を減らしているようだ。自分が真似しようと考えると、
・人と共有したり、一緒になにかすること
・(ほんとの)田舎に住むこと
・自分でものを修理したり(家とか家具とか)、作ったりすること
はいずれも結構苦手な分野で、合理性は感じるものの実践は自分には難しそうというか、逆にストレスをためてしまいそうに思える。
何事を考えるにも、まずは己を知らないといけないなーということを再確認したのだった。楽をするにもみんなが同じ方法で楽ができるわけではないのだ。