Dry

時々、とてもドライな感覚を感じる。まるで8月のアリゾナの赤茶けた大地で太陽に照り付けられているかのような。髪の毛を燃やしそうなあの陽射し。あるいはアンダルシアの摂氏47度なシエスタの時間・・・。なんの容赦もなく照りつける太陽。弱った生物達の生命を何の呵責もなく奪いつくす太陽の熱。しかしたとえアリゾナ、あるいはアンダルシアにいなくても、この世界の真実とはどこか灼熱の太陽と同じくらい乾いたもののように感じるのだ。湿っぽい春の暖かな空気と、いよいよ美しく咲いてきた桜がまるで幻影であるかのように、乾いた何かがこの空間全体に浸透しているのを感じる、そんな3月。