鶏肉

 むかしむかしそのむかし、まだイラク戦争911も起こっていなくて、世界が今よりもうすこしだけお気楽でハッピーだった頃のお話です。Qyouがアリゾナ洲セドナのとあるお家にホームステイしていたある日のこと、お家の夫婦が、鶏肉を丸々焼いたのをプレゼントしてくれました。なんでも街からちょっと離れたところにあるだだっ広い農場で自然な環境の下でほとんど放し飼いにされている鶏の肉だと。夕食を何にしようかなと考えていたQyouとQyouの彼女はちょうどいいおかずが来た!と大喜び。その日の晩に早速いただくことにしました。

 ぱくっ!食べてみたら確かに美味しい。鶏肉にありがちな脂っこさがほとんど感じられない、たとえるなら上質の焼き魚に近いような食感。かるく塩がふってあるだけで、ほとんど味付けはなされていなかったのですが、素材の味が余りにも美味なのでそのままぱくぱくぱくぱく。Qyouは人生で後にも先にもあんな鶏肉を食べたことはないのです。

 でもその鶏肉はBasha(スーパーの名前)とかで売ってるのよりも値段が高かったし、売ってるところがちょっと遠かったので、結局そこの鶏肉を食べたのはそれ一回きりでした。でもその鶏肉の美味しさは、「あのチキンは本当に特別だったねー。」と今でもQyouとQyouの彼女の心の中に刻まれているのです。

もちろんプレゼントしてもらったことの嬉しさ、彼らの心遣いへの感謝もありますが、それを横に置いたとしてもその鶏の美味しさは格別でした。今でもあの味を時々思い出します。日本で名古屋コーチンしか使わない焼き鳥屋さんに行ったりしても、それはそれでとても美味しいのですが、それでもあの時の鶏と比べると何かが欠けているのです。それは、肉の中に感じられる野性味というか、本当に広い空間で自由にのびのび体を動かして生きてきた鶏のみに宿る何かなのです。ほとんどスピリットと言って良いものかもしれません。いつか再びセドナに行くことがあれば、またあの鶏を食べたいです。

 それで、ここからが今日の日記。上記のような体験、またネットで食材の情報が手に入りやすくなったこともあって、日本でもあのような鶏の肉が手に入らないだろうか、あるいはそこまで行かなくても美味しい鶏の世界は、今ネット上でどのように展開されているのだろうかと急に興味が湧いてきたのです。早速ぐぐってみることにしました。何事も基本が大事なので、まずは現在の一般の鶏肉がどのように作られているか参考になるサイトを探してみました。

鶏肉、
http://www.ecology.or.jp/grish/0306.html
検索結果から適当に読みやすそうなのを選んで閲覧したのですが・・・
美味しい鶏肉情報に行き着く前に、あるいは美味しい鶏肉のことを理解することと引換えに・・・

普通の鶏肉がとても食べられなくなってしまいそうで、マジこわいです(汗)。なるほど、そりゃここまで飼育環境が露骨に違えば、味も変わってくるのも納得です。きっと栄養も変わってくるんでしょうね。