漠然とした安心感

 「漠然とした不安」という言葉はよく目にする。はっきりした理由がわからないのに不安という意味。
では安心感についてはどうだろう。私達が安心感を感じるとき、はっきりした根拠はあるのだろうか?
今幸せなように見えても、いつどこで何が起こるかわからない。何時事件や事故に巻き込まれるかも
しれないし、知らない間に命に関わる重病にかかっているかもしれない。


生命の維持、という観点から考えると、この世に生きている限り安心できる状態などないように思う。
しかしだからといって人が安心感というものを感じないかというと、やはり安心感を感じる時もあるだろう。


すると、「漠然とした安心感」という表現も成り立つような気がする。
なぜか理由もなく繰り返し訪れる安心感、とか。最近意味もなく安心で安心で仕方がない、とか。
それを人に言って、「安心なのは君だけじゃない、君は一人じゃない」と励まされるとか、
そういうのもあっていいと思う。