コメント力

コメント力―「できる人」はここがちがう (ちくま文庫)

コメント力―「できる人」はここがちがう (ちくま文庫)

 大人のための国語の先生、という感じがする斉藤孝さん。
コメントがどうして大事なのか、日本人の平均的コメント力が低いのはどうしたものか、枕草子はコメント力の作品である云々、優れたコメントの類型化及び、それらのスタイルを使いこなすための問題集。
エースをねらえとか、天才バカボンとか、21世紀に入ってから出版されたと思えないような昭和な教材の選択。
いっそのこと、「それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ。」とか、「私にはMATという帰る家があり、隊長という父がいます」とか、「だってうちパン屋だもん」とか、特撮物の名台詞にも手を広げて欲しかった、という個人的感情を禁じ得ない。
小さなミスにコメントするより、それを作った人が最もエネルギーを注いだ部分に焦点を当てるべし、というのは覚えておこうと思った。