蝉丸Pのつれづれ仏教講座

蝉丸Pのつれづれ仏教講座

蝉丸Pのつれづれ仏教講座

 孔雀王読んでたので、蝉丸Pさんが高野山時代に観光客から裏高野への行き方教えてくださいと真顔で訊かれたって話にかなり笑えました。


ネットスラング連発なので、そういう言葉に馴染んでいない方が読まれると色々理解するのが難しいところがあります。私もアニメやゲーム関係は余り詳しくないので、ところどころわからない単語が出てきましたが、ネット環境があれば検索すれば一応わかりますし、論旨ははっきりしているので、そんなに困ることはなかったです。


やっぱり現役のお坊さんだけあって、業界事情に詳しいです。新興宗教云々ではなく、普通の伝統的な日本仏教のお坊さんにもいろいろひどいやついるよってことも、隠さずに書かれているので、お家が仏教な方とか、これからどこか法事に来てくれるお寺さんを探さないといけない方とかの参考にもなるのではないかと。


それから、海外のいろんな仏教の実情を、実際に現地に長期滞在している後輩から聞いて書かれているのですが、妙にピュアなイメージのまとわりつく東南アジアの初期仏教の現実を暴露されていて、これもたいへん面白かったです。海外で布教してお金持ちになって故郷に錦をかざるお坊さんのことを、サクセスフル モンクって言うそうです。


チベットで僧侶が焼身自殺してニュースになってるけど、死んだほうがましなくらいの中国共産党による弾圧があるんだ!とはっきり書いておられるところも好印象。中国がネパールやブータンの辺りで、どのように領土を広げようと工作しているかについても書かれていて、勉強になりました。


 仏教の歴史や思想についても、難しくなりがちなことをわかりやすく表現されています。供養は何を供えて養うのか?というのは特によい話でした。


仏教好きな人も嫌いな人も、楽しく読める一冊という印象。