沖縄マジムン図鑑―みんなのまわりにいる、あんなマジムン、こんなマジムン
- 作者: 比嘉淳子,山里將樹
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2013/03/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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要は「見えない世界の住人」ということらしい。あとがきには、これが多分沖縄で初のマジムン図鑑だと書いてある。
この図鑑は、マジムン編と神様編に分かれていて、さらにマジムンの方が
・キーヌシィと森のマジムンの物語
・動物が正体のマジムン
・人間が正体のマジムン
神様のほうは、
・ホームセキュリティ神様
・五穀豊穣の神様
・沖縄を守る大御所神様たち
と、それぞれ3つずつに分類されている。
馴染みやすいようにということだろうか、マジムン図鑑のトップバッターは、沖縄人でなくても知っている人の多いキジムナー。比嘉淳子さんの説明と、山里將樹さんによるイラスト、そして危険度が5段階評価でなされている。ちなみにキジムナーの危険度は、5段階中の4ということだ。怒らすと結構危ないやつみたいね。
文化の違いで印象的なのは、怖いマジムンで「股の下をくぐられると死んでしまう」のがいること(アフィラーマジムンとかアカングヮマジムンとか)。
どこであっても命を奪う怖い妖怪はいて当たり前なんだけど、なんで股の下くぐられたら死ぬの?て不思議に思う。
まあ普通妖怪怖いし、近づいてきたら逃げるので、そうそう股の下をくぐられることもない。
でもアカングヮマジムンみたいに、かわいい赤ちゃんの姿をしていて、ハイハイで近づいてくるんだけど、それを人が両手を広げ、足を開き、腰をかがめて受け止めようとした瞬間に、その人の股をくぐり抜けて、くぐられた人はあっけなく絶命するというのは、なかなか背筋が寒いものが…。
なお、この図鑑では沖縄最強のマジムンは、シチマジムンというマジムンで、難産で死んだ女性の霊が集まってできたマジムン。危険度は5段階評価の5。狙われたら逃げ切れない。しかしこの図鑑には丁寧にシチマジムン対策も書いてあって、寝るときにパンツを頭からかぶることで目をそらすことができるらしい。シチマジムンに会う方法も書かれているけど、もし書いてしまって、実行した人に何かあって責任を問われても困るのでここには書かない。
マジムン編のトップバッターはキムジナーでしたが、神様編のトップバッターはヒヌカン(火の神様)。
そういえば、沖縄のミュージシャンの喜納昌吉のアルバムにも、火神ってあったっけ(懐)
- アーティスト: 喜納昌吉&チャンプルーズ,喜納昌吉,チャンプルーズ
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1994/12/05
- メディア: CD
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沖縄では一家に一ヒヌカン、家族も同然、酸いも甘いも共に過ごす神様なんだそうで。
それから、フールヌカミという神様が、沖縄のトイレの神様。
便所を毎日掃除すると、美しい子どもに恵まれ、商いも繁盛すると言われてるそうな。
五穀豊穣の神様のページを開くと、なんだかほんわかした豊かな感じ。
特に東の彼方の桃源郷ニライカナイからやってくる神ミルクは、強力な福の神オーラが出てる。
そして最後は沖縄を守る大御所神様たち、
・白澤
・神マヤー
・キミテズリ
・キンマモン
の四神が紹介されている。どの神様もめっちゃ強力そう!
南の島ならではの、のんびりした感じの神様もいれば、中国の道教から伝わったのかな〜と思うマジムンがいたり習慣があったりで、宮古島にちょっと居たぐらいしか沖縄旅行したことのないおいらは、この本を読んで、一度沖縄本土を旅してみたいなと思ったりしました。
沖縄マジムン図鑑―みんなのまわりにいる、あんなマジムン、こんなマジムン