暗峠の辺りがよく分かる本

   大阪から奈良に抜ける生駒山越えの峠で、その圧倒的に急峻な傾斜で全国区的に有名な国道308号暗峠。強烈な坂道部分ばかりがクローズアップされますが、実は見どころはもっと長いし平坦部分もたくさんあるのです。暗越奈良街道と呼ばれている街道の歴史、史跡、観光スポット、周辺のおすすめ飲食店などが書かれた本です。

 大阪側のスタート地点が高麗橋で、最寄り駅は各線の北浜駅。自転車屋さんでいうとLORO CYCLE WORKSの近所。そして奈良側の終点は春日大社と、普通にサイクリストが「暗峠に走りに行こう」というときよりは、ずっと長いコースになります。
旧大阪砲兵工廠の理化学研究所、旧第四師団司令本部/旧大阪市立博物館など、大日本帝国時代の建造物が結構多い大阪城周辺。東雲稲荷神社に玉造稲荷神社と、お稲荷さんの多い玉造界隈。東成区の老舗銭湯の八阪湯も紹介されていますが、この段階でお風呂に入っちゃうとくつろいで、奈良まで行けなくなってしまいそうです。人によりますが。大今里のセルロイド会館も行ったことがないので見てみたいところ。「セルロイド」という言葉の響きに若干の郷愁を感じます。玉楠大明神と熊野大神宮も必見。読んでるうちに、見ていないところ多いなあと気付かされます。
 この調子で書いていくと、長くなるのでこの辺で。詳しいことは本を読んでくださいね。
ただ布施の元禄寿司本店は回転寿司発祥の地ということで、一度食べに行きたいと思います。あと、山を越えて奈良側にある、手打ちうどん風舞は数回食べに行ったけど、美味しかったです。奈良に入ってからも、赤膚焼窯元とか、良いスポットがいくつも紹介されていますが、この本に紹介されているところ全部回ろうと思ったら、何回のお出掛けになるかなあと思います。

シンプルな暗峠越えに飽きたらお勧めの一冊でした。