東京の瀬尾佳美はカラスよりも迷惑である

 いつものようにネット巡回していたら、おのひろきおんらいんで面白い記事を見つけました。
http://onohiroki.cycling.jp/weblog200405.html?d20040531n1_#d20040531n1
問題となっている瀬尾佳美のサイトはこちら
http://www.sipeb.aoyama.ac.jp/~kse-home/topics/cari.htm

 想像した通り、2ちゃんねるの自転車板はもりあがってます(笑)。
http://sports7.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1085989144/

 瀬尾氏の文章ですが、あまりにも多くの点で反論したいところがあるので、一気には感想を書ききれません。機会を見て少しずつ書きます。

1行目からいきなり
>東京を走る自転車はカラスより迷惑である。
と書かれています。カラスを迷惑なものとしか見ていない、カラス=迷惑というだけの単純な物の見方になんの躊躇もないところが恐ろしくさえ感じられます。

カラスはどんな鳥なのか、知ろうとすることも大事ではないでしょうか。
カラス研究室 http://homepage3.nifty.com/shibalabo/crow/

人間が、カラスの生態環境にどのような影響を与えているかを考慮せずに、一方的にカラスが迷惑だと言うのであれば、問題は決して解決しないでしょう。
ゴミ荒らしだって、カラスにしてみれば餌を食べるということですし、人を襲うのだって、いろいろカラスなりに理由があるわけです。だからカラスの好きにさせるということではなく、カラスのことを分かった上で解決法を考えれば、より良いアイデアがでてくるのではないかと思うのです。
 
心情的にあまりカラスに辛くあたってほしくありません。カラスは瀬尾佳美の文章にくらべれば無害です。

 話を自転車に戻します。
まず、交通ルールを無視した自転車が迷惑ならば、悪いのはその自転車に乗っていた個人であり、東京を走る全ての自転車ではないはずです。誤解を生むような表現が恣意的に織り込まれている感じがします。

それから、この発言。
>自転車は、田舎では、車道を走ろうが歩道を走ろうが、多分ほとんど問題にならない。どうせ誰もいないからだ。

 誰もいなかったら歩道も車道もできません。使う人が存在するから道路があるのです。一度田舎の車道でも歩道でも、できれば車道を、じっくり走られたらいいのだと思うのです。奈良の吉野あたりでたくさん材木を積んだやたら長いトラックに幅寄せされたり、暗峠で対向車とすれちがったりしてみてください。そしたら何が本当の問題なのかわかるはずです。少なくともどこを走ろうが誰もいないから問題にならないなどという認識にはならないはずです。

あと、馬鹿もほどほどにと思ったのはここ。
>ライセンス化とともに、自転車にナンバープレートをつけ、登録制にすれば、駅前の不法駐車も一掃されるだろうし、近年激増している、自転車によるひったくり犯罪なども激減するだろう。

言うまでもなく、自動車にはナンバープレートがつけられており、登録制になっているわけだが、自動車の不法駐車は一掃されているとはとても言えない状況にある。

自転車によるひったくり犯罪が仮に減ったとしても(絶対減らないと思うが)、犯罪の根本原因である貧富の差、金が不足して暮らしていけない状況に陥る人が多数存在するという状況、あるいは人から金を盗んで儲けようとする態度の人がいるということが変わらなければ、まったく意味がないだろう。自転車でひったくりをするのが減少して、オレオレ詐欺や強盗等が増えても社会的には何の解決にもならない。

「自転車でひったくりできたころは楽だったよなー。自転車使えなくなって簡単に逃げられないから、今は金盗る時に頭鈍器でぶんなぐって気絶させることにしてるんだ。時々死ぬやつもおるけど仕方ないよなー。金いるしー。」

ということにだってなりかねないのだ。

それ以前に、犯罪に使うなら自転車であろうと自動車であろうと盗難車でやるのが原則。目撃者が警察に話すであろうことを考えると、自分のものを使うのは思いっきりリスクを高めるだけで何のメリットもない。

 ライセンス制を導入し、警察OBを取り締まりに当たらせるとあるが、これ以上警察官僚に利権を与える必要はないだろう。第一警察OBは年金制度の中でも優遇されているほうの公務員なので、仕事を与えなくても飢え死にはしない。しかもいろんな業界にすでに天下り先を持っている。それに最近の警察関連のニュースを見ていると、警察にこれ以上仕事を与えるのはどうかと思ってしまう。

参考→http://keisatsu-fusyouji.org/index.htm

また、自転車関係に絞っても、兵庫県でこんな事件が起こっている。
神戸新聞 http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/030813ke120880.html
女性が自転車の盗難にあって宝塚署に盗難届けを出しに行ったらスカートの中身を隠し撮りされたそうだ。

こうした事情を考えると、警察に違法自転車の取り締まりをしてもらうというアイデアには不安を感じる。

 荒川区の、自転車の乗り方を小中学校生等に教育するというのはいい考えと思うが、免許制とまでなるとなんだか嫌な感じがする。その内に、道を歩くにも免許が必要だと言いだされそうで、さらに息苦しい世の中になりそうで、本能的嫌悪感を感じるのだ。そもそも義務教育の中に自転車の正しい乗り方を組み込んでしまえば、免許証がなくても、やがてはみんな講習を終えることになるからいいのではないか。大人には何か別の方策を考える必要があるかもしれないが。

 それよりも、自動車運転免許取得時に、自転車は車道の左側を走るものであることを、もっとしっかり教えてほしい。そうすれば自転車を邪魔物扱いにして馬鹿にボリュームの大きいクラクションをならす者も少なくなるであろう。