魂の錬金術(エリック・ホッファー・作品社)p.47

 ぱらぱらぱらぱら・・・

 自分にふりかかる不幸が過去の罪に対する一種の懲罰だと考えると、多くの場合、安堵感を覚えるものである。そして、われわれは、現在起こっていることの直接的な責任を免れうる。というのも、もし直面する困難を過去の出来事に帰すことが出来るなら、そのことは、現在われわれが未熟であることの証拠とはなりえないし、自身や自尊心を傷つけることもないからである。

 現実と異なるイメージを作り出して、現実に直面することから逃げるという点では、過去の罪によって現在悪いことが起こってると考えたり、逆に過去の善行によって現在幸せであるという考え方も、神経症的な妄想と本質的に大差ないのかもしれませんね。

 短い文章で鋭い洞察を見せるエリック・ホッファーhttp://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/jinbun/tanpin/5278.htm。私の本占いには最適の一冊です。