- 作者: 雨宮処凛
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/03/13
- メディア: 単行本
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等々最近よくメディアに現れるテーマについて、実例が多数リアルに描かれている。
「普通に生きる」というただそれだけのことがこんなに苦しくなったのはなぜだ?という
問いが繰り返される。現状を作り出すために、政財界が何をしてきたかが読者に示される。
最初から政財界によって仕組まれていた国民的貧困(!)
この本に書かれているような状態は、馴染みのある人もいるだろうけど、
まったく見たことも聞いたこともないという人もいるかもしれない。
個人的には、安全に配慮のない現場で働かさせられる登録制バイトとか、
生活費が苦しいから体調が悪くても病院に行くことを先延ばししてしまう派遣社員とか、
アスベストが剥き出しのままになっている工場が存在することとか、
そういうことがあることは、多数見聞し、一部実体験して知っている。
著者の雨宮さんには、まともに稼げないことを「自己責任」に感じて自殺してしまった、
たくさんの同世代の友達が居たという。初めて自分達の置かれている環境を社会的に認識したとき、
激しく怒りを感じたそうだ。自分のせいじゃないことで彼らが自分を責めて死ぬことになったのは何故かと。
弟さんがヤマダ電機で過労死一歩手前まで働かされてた話が出ていて、
ちょっと自分の中でヤマダ電機がイメージダウン中。あとキャノンも同じく。