男たちの大和って題名変じゃない?

 むかし、「女達のジハード」って小説がありました。当時は今ほど女性の自爆テロも盛んではなく、イスラムでは戦争は基本的に男の仕事なのでジハードと言えば男の世界なのですが、敢えて「女達のジハード」と言う題名を小説につけたことによって、「何のことやろ?」と思った通りがかりの人がつい手に取ってしまう効果的なタイトルだったと思います。なおこの小説のテーマは女性の生き方であり、イスラムの聖戦とは無関係。
 それで、今話題になっている(?)「男たちの大和」ですが、このタイトルには何の意外性もコントラストも感じられません。今みたいに女性自衛官がいる時代ではなく、第二次世界大戦中の大日本帝国海軍戦艦大和が「男たちの」って、それ当たり前じゃないかと。大和のイメージ自体、非常に男性的です。なぜわざわざ「男達の」と付けたのか、謎。あえて「男達の」と強調するのがわかりません。言わんでもわかるやろと。
 実は同様に、ちょっと前の阪神の「男星野仙一」と言うのもなんだか変な感じ。そんなこと書かんでも誰も星野監督のことを女と思うやつおらんやろと。なぜに男、男とつけるのか。万一の誤解を防ぐために「男」とつけたほうがいいかもと思うのは、「男ピーター」とか「男美輪明弘」とかそういう方々なのですが、そちらのほうには誰も「男」をつけないようです。不思議。ひょっとしたらジェンダー論の話になるのかもしれません。


追記:なおこの映画については、こういう批評もあります。


06/03/07 追記:こぐさんの日記(http://d.hatena.ne.jp/kogkog/20060304#1141452585)によると、「女達の大和」も存在したそうです。なんだか謎が解けたような気分。