豪腕

 三郷町立図書館でランス・アームストロングの「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」(ISBN:4062102455)という本を借りました。かなり以前よりこの本の存在は知っていたのですが、あまりにもいかにもというストーリーな感じがして、購入には踏み切れませんでした。今回、図書館に置いてあったので、お金を払わなくていいんだったら読みたいかなと思い、本を手に取ってカウンターへ。

 粗筋をはしょりまくって説明すると、自転車のロードレースの世界最高峰の大会で活躍していたランス・アームストロングがガンにかかって生死の渕を彷徨い、奇跡的にガンを克服してツール・ド・フランスのチャンピオンになるという「感動的」物語です。

この物語のおかげで、トレックとナイキが儲かったことは間違いなし!はっきり言ってガンを克服してツールで再びチャンピオンになるほどのアームストロングであれば、別にトレックでなくても、ビアンキでもコルナゴでもブリジストンでもパナソニックでも何に乗っても余程ひどいバイクでなければツールで優勝していたであろうと思うのですが、それでもこの本を読んで感動してアームストロングファンになった人々の中にはトレックのロードに憧れて大枚はたいてMADONE5.9を購入したりする人もいるのでしょう。

TREK MADONE5.9 http://www.trekbikes.co.jp/bicycles/madone59.html

良さげなロードバイクなのですが、逆に純粋にこの自転車が好きで乗ってても、見た人から「あ、あいつアームストロングのファンやで」とかほとんど自動的に思われてしまう可能性を考えると、購入する気分は遠のいてしまいます。

 この本の前に借りたのが、玄侑 宗久の「水の舳先」(ISBN:4104456012)だったので、我ながら一貫性のない読書をしているなあと思いました。二冊の共通項と言えば・・・ガンくらいでしょうか。仏・神・エロスの中に微かな救いが見えるか見えないかの内に久美子の死でエンディングの「水の舳先」と大ピンチから奇跡的に復活してチャンピオンに返り咲くアームストロングの物語。ある意味好対照!?なのでしょうか・・・。