寒いのか暑いのか

 2004年6月25日のぽた郎の超軟弱形而上日記を読みました。「寒いっ,寒すぎる!」という題名。
http://www.potterist.com/potarodiary/diary3/000745.html
ぽた郎さんはきつい冷房が苦手で、過剰な冷房により体調を崩されることがよくあるそうです。誰かが冷房病になるほどまで冷房する必要はないし、環境にも悪いので、職場や家庭で寒すぎると感じたら、すぐさま温度設定を高くしましょうとの趣旨のように感じられました。

今週,東京出張があったのですが,ぽた郎は行き帰りの新幹線の中,ほんまにこのまま寝たら凍死するんちゃうかと思うくらい寒いのを我慢しながら耐えてました。ぽた郎にとって,夏は寒さとの戦いです。

多分ここ5年くらい新幹線に乗っていないので、夏の新幹線の温度についてはわかりませんが、飛行機では確かに寒く感じることがあります。それはむしろ高度の問題だけど。それ以外の電車、私の場合、JR西日本や阪急や近鉄では、普通の冷房車で、まあなんとかだいじょうぶかなという感じ、弱冷車では耐え難いほど暑く感じ、汗だくになります。

ぽた郎は低血圧のうえ胃腸が弱く寒いとすぐおなかが痛くなってしまうという筋金入りの軟弱ものですので,寒いのは結構苦手です。おまけに寒いと体中がこわばって肩や腰が凝ったり関節が痛くなったりすることもあります。うーん超虚弱体質。(^^; いやそれでも,冬の自然の寒さの中ではまだマシなんですけどね。どーも夏の間の人工的な寒さ,すなわち「冷房」には極めて弱いのです。つまり「冷房病」の典型的症状ってことですかね。

同じく軟弱者の私ですが、血圧は平均より少し低め、暑いと食欲が減退し、ほとんど動かなくなります。また、汗をかいてビタミンを消耗してしまうので、免疫力も下がり気味になり、肌荒れ、疲労、風邪、食中りなどに非常に弱くなり、集中力も低下、機嫌も人当たりも無茶苦茶悪くなります。夏場はネイチャーメイドが欠かせません。勿論野菜もちゃんと食べますが、野菜だけでは追いつかないのです。冷房で「寒い」と感じたのはスーパーの冷凍食品売場と今は無きアンリ・シャルパンティエ御影店(現在、西村屋和楽がはいっているところ)くらいです。前者の寒さは業務の特性上必要なものであり、お客様の快適性のためのものではないので仕方がないし、後者は例外中の例外と言ったところでしょうか。

むしろ、某県庁のISO14000の28度冷房、冷房ならぬ冷房の苦しみのほうが強く記憶に残っております。たとえば夏だったら最低気温26度、最高気温30度という日も結構ありますが、そんな日に生暖かな28度にされても全然涼しくないのです。汗だくだくになります。しかも温度管理は特定の場所に設けられたセンサーによってなされているはずなので、暑いところはむちゃくちゃ暑く、職員の知的生産性やPCのコンディションにも悪影響があったように思います。あせもにかかって大変でした。

ちょっと温度が高くても暑いのを我慢するくらいで済みますが,ちょっと温度が低い場合「冷房病」として確実に健康に不調を来す人が少なからずいます。その場合どちらの意見を取るべきでしょうか?

私のように、ちょっと温度が高いと業務に支障をきたし、勤務が地獄になる人間もいます。冷房で体調を崩せば医師は「冷房病」と呼び、暑さで体調を崩せば医師は「夏バテ」と診断すると思われます。「冷房病」の患者には「冷房病」のための対処法が必要であり、「夏バテ」の患者には「夏バテ」のための対処法が必要です。どちらかの意見を取るということは、どちらかが体調の不調に苦しみ続ける状態を容認するということで、フェアではありません。冷房は余程極端でない限りは夏バテをある程度防止してくれるというのが私の経験です。でもそんなのいらないという人もやはりいるでしょうね。

冷房なしで身体を冷やすことができればいいのですが、衣服を脱いで涼しくなるという方法は、職場という環境では難しかったり、職場でなくてもある一線を越えると社会倫理や法律にもとるものになってしまうので限界があります。うちわも片手が使えなくなるのでPC操作に干渉します。

私は冬場は暖房が苦手なので、たとえば暖房のよく効いた百貨店の中ではTシャツ一枚で歩いてたりすることもあるのですが、冷房が苦手な方が夏場一枚多く着てみるというのはだめなのでしょうか。暑がりの人がTシャツで快適な温度は、寒がりの人がスーツで快適な温度だったりしないでしょうか?それとも冷たい風が首筋に当たったりすること自体がだめなのかな?

また,地球環境を考えた場合,過剰な冷房を不快と思う人たちの意見を無視してまでエネルギーを浪費する大義名分はどこにあるのでしょうか?

地球環境を考えると、冬は暖房は極力最低限にしましょうということも同様に可能ですね。消費しているエネルギーは同じなのですから。私が思うのは、日本の夏にスーツとネクタイを着用して仕事をすることのナンセンスです。ネクタイはもともと防寒具(!)だったと言われています。オフィスで働く人達がTシャツと7分丈のズボンで勤務できるようになれば、自然と過剰な冷房は減るでしょうね。また、男性は長ズボン、女性はスカートという姿が強要されているので、男性に心地良い温度の冷房にすると、女性には足元が冷えるという害もあります。

一方、ぽた郎さんにとっての過剰な冷房=私にとっての快適な冷房(私にとっても過剰な冷房というのはなかなか街で出会わないので)の大義名分ですが、確かに考えてみれば大義名分はないわけです。「みんなで暑いのを我慢して地球の環境への負担を減らそう」と言った方が大義名分かもしれません。

でも、仮に同じエリアに同じレベルの飲食店があった場合、私はやはり夏場は冷房のよく効いたほうのお店に入ります。梅田のシアトルズベストコーヒーとか大好きです。また大阪-神戸間には3本の私鉄が走っていますが、もし一社が他の二つより客車内温度が低くて(私にとって)快適であれば、やはりその電車を利用するでしょう。好みの温度は人によって違いますが、商売をする側としたら大多数の人が望む冷房温度にしておきたいと思うでしょう。

おそらくぽた郎さんは大多数の人の好みよりおだやかな冷房が好きで、私は大多数の人の好みより強力な冷房が好きと思われます。

大義名分はなくても、お店はお客様に来てもらわなくてはやっていけない。人の波は快適なほうへと向かいます。仮に夏場にちょっとでもむしっとしていたら、ヒルトンホテルであっても人は逃げて行くでしょう。同様に冷房が極端に冷たくてもやはり人はでていくでしょうね。前者のようなところでぽた郎さんのような方が「寒くなくていい」と、後者のようなところでは私のような人が「ひゃっこいひゃっこい」と、くつろいでいるかもしれませんが、大多数の人に逃げられてしまうなら、経営者にとっては災難でしょう。

本来の冷房の大義名分は、「そこにいる人に快適でいてもらうため」だと思うのですが・・・全ての人を満足させる温度などないようで・・・読者の方々はいかが思われますでしょうか?