米国産牛肉関連

 ちょっと前の話だけど、米国牛関連のお話。
「NY郊外でついに狂牛病が発症か」、ジャーナリスト椎名 玲氏による記事だそうです。

ニューヨーク郊外の人口一万一千人の町で、わずか九年のあいだに十人が狂牛病に似た症状で死んでいたことが明らかになった。しかも彼らを追跡調査したところ、全員が同じレストランでステーキを食べていた

 すごい高確率ですね・・・。

ジャネットはこう語る。

「友人のキャリー・マハンがBSEの感染によって死んだ可能性が高いのです。四年ほど前に倒れ、ペンシルバニア州立大学医学部の病院に運びこまれました。
そのまま集中治療室に入り一ヶ月半後の2000年2月24日に亡くなった。死因は孤発型クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)という神経難病に侵されたということでした。しかし彼女は当時二十九歳。この病気にかかる年齢ではなかったのです」

孤発型クロイツフェルト・ヤコブ病は百万人に一人の頻度で発症する難病で、患者は六十歳を超える高年齢層に多い。

 狂牛病で死んだ可能性ありありかも。

百万人に一人という病気が、一万一千人ほどしか住んでいないチェリーヒルで立て続けに発症、しかも二人とも同じレストランで食事をしていた偶然性に疑問を感じたジャネットは独自調査を進めることにした。

すると1995年から2004年のあいだにこの地区だけで十人が孤発型クロイツフェルト・ヤコブ病にかかり死亡していたのだ。しかも全員が競馬場のレストランで食事をしたことがあるというのである。

「死者の職業は様々、年齢も性別もバラバラでしたが、唯一の共通点はこのレストランで牛肉を食べていたということです。ここの人気ランチメニューは特大サイズのリブステーキで、ポテトもついて五ドル九十九セントで出されていた」

彼女たちを見てきた医者たちはこぞって死因を「クロイツフェルト・ヤコブ病の中でも変異なもの」と診断している。
狂牛病は正式には「新型クロイツフェルト・ヤコブ病」といい、潜伏期間は五年から二十年、発病したら最後、脳がスポンジ状に変異し、死に至る病気だ。つまり、彼女らの病気はきわめて狂牛病に似ているのである。

「新型の特徴は二十代から五十代までの比較的若い人に見られるということですが、チェリーヒルでは半数がその年齢で亡くなっています。また、痴呆の症状は孤発型ヤコブ病より出にくいので、入院する直前までキャリーのように症状が見られない人が多いのです」

キャリーの場合、担当医師がまず、ヤコブ病の中でもさらに変異的なタイプであると診断した。その後、米国厚生省の機関の「病理管理・予防センター」に彼女の脳サンプルを送ったところ、国立プリオン病センター部長のピエールキイギ・ギャンベッティ医師は脳組織の中にプリオンが見られなかったとヤコブ病であることすら認めなかった。

しかしキャリーの母親はその結果に納得できず、名高い神経学者であるサウスキャロライナ・クラフリン大学のオマー・バガスラー博士に再検査を依頼した。その結果「BSEの感染による変異的なクロイツフェルト・ヤコブ病の可能性が高い」と診断されたのだ。

以前より言われていることですが、牛がBSEに感染していた場合、リブステーキやT-boneステーキはプリオンが含まれる可能性が大きく危険度が高いそうです。ここの人気ランチメニューもリブステーキ。実は私も以前アメリカに旅行したときにはステーキが分厚くて安いので喜んで食べていたのですが、今後はリブステーキとかT-Boneステーキは避けるかも。


それから、先日の記事についていただいたokさんのコメントより。

【牛に鶏糞】鶏糞への肉骨粉混入率を30%程度とFDA要官見積(=年間30万トン?)
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/c35a71a82981c6c137518f281eb161c0

こちらの記事もなかなかショッキング。

年間100万トンの糞尿中の30%としたら、30万トンの肉骨粉を米国牛は食べているということになりますが。でも、これに、排泄物中の(鶏の体を通した)蛋白量の見積もりは含まれていないのかな?含んだらどの位になるでしょう?

鶏の糞って牛の餌だったのか(驚)。てっきり牧草ばかり食べさせてるのかと思ってたよ(←不勉強)。

牛への鶏糞ごみ飼料=poultry litter について、全国食健連が主催したBSE講演会のジョン・スタウバーさんの資料に以下の件がありましたので、転載させていただきます。

>毎年約100万トンの鶏の糞尿が牛に与えられている。鶏舎の床などから掃き集めるため、これに肉骨粉入りの飼料が混入している可能性は大きい。FDAのクロフォード長官代理は、肉骨粉の鶏糞への混入率を、30%程度と見積もっている。米国が肉骨粉全面禁止措置をとれない背景には、産業界の圧力がある。米農務省の資料によると、91年にAPHIS(農務省動植物検疫局)が、豚、猫、ミンク、シカその他の実験用動物について海綿状脳症伝染の可能性が高いことを指摘した。しかし同時に、肉骨粉の全面的禁止が家畜飼料、肉骨粉産業に与える打撃が大きすぎる点も指摘された。

(略)

>米国の畜産と酪農で牛に肉骨粉を与え始めたのは80年代初め。89年に生産された肉骨粉、血液粉、フェザーミールは約3600万トンであり、その34%がペットフード、34%が鶏の餌、20%が豚の餌、そして10%の360万トンが牛の餌となった。

年間100万トンの糞尿中の30%としたら、30万トンの肉骨粉を米国牛は食べているということになりますが。でも、これに、排泄物中の(鶏の体を通した)蛋白量の見積もりは含まれていないのかな?含んだらどの位になるでしょう?

 いろいろ問題あるんですね。吉野家の牛丼を例にあげるまでもなく、日本でももうすぐ再び米国牛が大量消費されることになると思われるわけですが、誰かBSEで死ぬ前に、きちんとした対策が取られてほしいものです。