最近読んだ本3冊

 

サーカスナイト

サーカスナイト

 

  初めて途中で投げ出さずに最初から最後まで読めたよしもとばななの小説。
昔から、ちょっと面白そうと思って手に取る→少し読んで、飽きてやめる の繰り返しだったから。
よしもとばななが作家として進歩したのか、私の根気が進歩したのか。

相変わらず「なんでそこでそうなるの?」と思うことは多いけど、村上春樹1Q84を3冊完読したおかげで、「なんでそこでそうなるの?」と思わせる小説への耐性がついたのかもしれません。

主人公の松崎さやかはバリ島育ちで、学者の両親を飛行機事故で早くになくしていて、ちょっと不思議な力を持つ(物の心が読める)という、凄いわかりやすい不思議キャラ設定。対するさやかの元彼で、年月を経て再び会うことになった一郎はおうちが神社。母親は人助けを凄いがんばる人だったという、これまた絵に描いたようなわかりやすい不思議キャラ。一昔前に、2ちゃんねるで困ったこと(主に霊現象など)を寺の娘が解決してしまうような話が流行ってたけど、そんな風にアグレッシブに問題解決するキャラではない。でもこの物語に放り込むにはこんな人が良かったんだろうなーと思う感じ。この話の感じがばななの好きな人がいう、ばななワールドなんだろうか。

東京タクシードライバー

東京タクシードライバー

 

  第一話から第十話まで、全部東京のタクシードライバーのお話。
著者がインタビューして、彼らの人生の物語を書き起こしている。

客としてタクシーを利用する身だと、タクシー乗るときには「こわい人じゃないといいなあ」と思いながらおそるおそる手を上げたり、タクシー会社に電話したりしてしまうものだけれども、ドライバーの方はドライバーの方で、やっぱり「こわいお客さんじゃなかったらいいなあ」と思いながらお仕事をされているみたい。

タクシードライバーは、新卒で就職される方はあまりいないみたいで、それまでの人生は十人十色。第十話の方なんか、タクシードライバーより前に、ソ連崩壊前のブルガリアで商社マンしていたときの話の方が、共産圏だった東欧の様子やビジネス事情などが面白くて、良い意味で予想外だった。

あと、長いあとがきの、ケーキ屋で娘がバイトしていて、余ったケーキを家に持って帰ってくるのに困っていたおばちゃんから、毎日ケーキをホールでもらって食べているうちに、太るはずがどんどん痩せて医者に行ったら今どき珍しい栄養失調ですねと言われた著者の話は、栄養の観点から見て興味深いものであった。

  イラストの猫がかわいいからさらっと読んだだけ。
特に腰痛や肩こりは今のところ持っていません。

俗にいう、気をつけ!の姿勢、背骨をピンと伸ばした姿勢は、実は身体に悪いということ、少しだけ背を丸くして軽い猫背の方が体に良いということが書いてある。
肩こりの猫とか、聞かないものねえ。しらんけど。
肩こり・腰痛・うつ・不眠・ひえ など、いろんな症状に向いたエクササイズも掲載されていて、小さな本の割に親切な印象。