とはいえ、ヘルメットなしの自転車と速度違反の自動車に共通して感じたものは何かと考えてみると。
ささやかな行為が危険や被害を局限しうるのにそれをしないことがかっこ悪い。
多くの人があるべき姿でないから自分もそうでいいんだという言訳がかっこ悪い。
捕まんないからいいんだという言訳がかっこ悪い。
仮にささやかな行為で危険や被害を局限しうるならばそれはするべきである、それをすることがかっこいいのだとするならば、よくみなさまがオフ会のポタの時に被っておられるロード用とかXC用のヘルメット(こんな感じのやつ→http://www.cb-asahi.co.jp/image/kokunai/ogk/alecules2004.html)よりも顎や頭部のより広い範囲をしっかりと守ることのできるダウンヒル用のヘルメット(こんな感じのやつ→http://www.cb-asahi.co.jp/image/kokunai/ogk/dhgammacore.html)を被ってポタリングやサイクリングに臨んだほうがかっこいいのでしょうし(被る手間は大して変わりません)、もっと言えば事故で頭部の怪我に負けず劣らず怖いのが脊椎の損傷ですし、ひじや膝も痛めたらやっかいなのでプロテクター(たとえばこんなの→http://www.rakuten.co.jp/websports/423595/474670/])も付けてたほうがかっこいいかもしれませんね。プロテクターだって装着はさして煩雑ではないでしょうし。逆に頭を事故から守ろうという心がけのある人が脊髄を守らないことのほうが不思議かもしれません。山で高速ダウンヒルするわけじゃないとはいえ、たとえば公道の舗装路の降りは場合によっては山のダウンヒルよりも危険な可能性もあります。アスファルトって土より固いし。仮に常にプロテクターとヘルメットを装着して街を走っている人がいたとしても、それはリスクを減らすという観点からすると正しいと思います。
まあ、実際にはなかなか街中でプロテクター装着されてる方にはお目にかからないわけですが、それがどうしてなのかは私は知りません。
多くの人があるべき姿でないから自分もそうでいいんだという言訳がかっこ悪い。
ヘルメットを被らずに自転車に乗っている方は「本当は被らなきゃいけないんだけど、被ってない人がたくさんいるから自分も被らなくていいんだ。」と思ってそうしているのでしょうか?制限速度以上で自動車を走らせている人は「本当は制限速度40kmのとこは40kmで走るべきなんだけど、守っていない人がたくさんいるから守らなくていいんだ。」と思ってそうしているのでしょうか?現実を鑑みるに非常に疑問があります。
捕まんないからいいんだという言訳がかっこ悪い。
私の知る限りスピード違反を常習的にしている人は、捕まる可能性は充分わかっています。自分だけは捕まらないとは決して思っていません。だって捕まるもん。捕まんないと思えるのは初めて捕まるまでの間だけです。逆にヘルメットを被らずに自転車に乗る、これは警察署の前でやっても決して捕まりません。原付じゃないんですから。「捕まんないからいいんだ」という言い訳はある程度捕まる可能性があることに対してでないと出てこないと思います。
たとえば、(大麻が違法な国で)大麻を吸ってる人に、「そんなん吸ってたらあかんやん!」と言ったとします。その場合、「捕まれへんかったらええやん!」と言い訳をするやつ。これは実際居ます。
でも、煙草を吸ってる人に「煙草吸うの良くないよ!」と言っても、「捕まらないからいいやん」と言う答えが返ってくる可能性は非常に低いと思います。「やめられへんねん」とか「早死にしてもいいし」とか「人の勝手やん」とか「やめよとは思ってる」とかいろいろな答えが返ってくるでしょうし、その内のいくつかの答えは納得のいかないものかも知れませんが、「捕まらへんからいいやん!」とは言わないと思います。同じ理由で、自転車に乗るときにヘルメットを被らない人が「捕まらへんからいい」と言い訳をする率も相当に低いと想像できるのです。