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山猫珈琲(下)

 昔はどちらかというと小説よりもエッセイが好きで、新聞や雑誌はエッセイから読んでいた。今は新聞も雑誌も昔と比較してあまり読んでいないのだけど、たまにのんびりとエッセイが読みたくなるが、普段から読んでいないから誰のエッセイが面白そうなのかがわからないし、さてさてどうしたものかと思っていたのだけど、図書館にいたときに、とりあえずタイトルで決めて借りて返って面白くなかったら即返却しようと決めた。

ちょうど目のついたところの棚にあったのが、湊かなえ の山猫珈琲(下)。

午前11時を回っても、洗面所のガラスの内側がシャリシャリと凍っているような寒波の効いた寒い寒い日に、こたつに入りながら一気に読んだ。

 

山猫珈琲 下巻
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湊 かなえ
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タイトルとは裏腹に、猫の話はそんなに多くはない。ディープな猫エッセイ集のようなものではない。
珈琲についても、エスプレッソマシーンを手に入れて珈琲好きになって家で飲む珈琲が一番美味しいと思うに至る経緯が書いてるくらい。
作者の名前を思い出さないまま手に取って、まったりしながら読むのに良い軽めの本かなと思ったら、著者はなんと「告白」を書いた人だと途中で気がついた。

 

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
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なんとなく、勝手なイメージだけど、告白を書いた人ならもっと剃刀の刃のような、一つ間違えると自分が犯罪者になっちゃうんじゃないだろうかというような緊張感の人なんじゃないかと思っていたので、「山猫珈琲」なんてまったりしたタイトルでエッセイを出してることにびっくり。

ポルノグラフィティと同じく因島出身、
阪神間の大学でサイクリング同好会に入って日本あちこちうろうろ、後に登山も。
青年海外協力隊でトンガ行って、その後淡路島で島の人と結婚、公募ガイドに応募しまくってデビュー。
告白が大ヒット。
エッセイだからというのもあるけど、文体は非常にわかりやすく読みやすい。
自分より一歳年上で、同世代感も、あるようなないような。

 

ニュージーランドのミルフォード・トラックに、すこし行ってみたくなった。

ちなみに、著者が子供の頃に読んで一番こわかった絵本は、

 

とうもろこしおばあさん―アメリカ・インディアン民話 (こどものとも世界昔ばなしの旅2)
だそうな。山猫珈琲、上巻も探してみよう。