新型コロナウイルス対策にイソジンでのうがいを推奨した大阪府の吉村府知事が、良くも悪くも話題になっています。大体は批判的な意見が多いですね。トンデモ医療みたいなことを府知事が公共の電波に乗せて言ってどうする?と。
しかし吉村府知事を弁護する気持ちは全くありませんが、人類の長い医療の歴史、それもトンデモ医療の歴史から見れば、イソジンでコロナウイルスを消毒しようなんて、全くかわいいものなのです。
それがわかる一冊!
この本の帯にはこう書かれています。
梅毒患者は水銀風呂に入れ!
泣き止まない子どもにはアヘンを!!
・・・そんな無茶苦茶な。でもこういう行為が確かに推奨されていた時代もあったのですね。
また、治療法の犠牲者として、誰でも知ってる歴史上の有名人が挙げられています。
・リンカーン・・・・・・水銀入りの頭痛薬を服用、重金属中毒になって症状はさらに悪化
・ダーウィン・・・・・・強壮剤としてヒ素を飲み続け、肌が浅黒くなるもやめられない
・ヒトラー・・・・・・猛毒ストリキニーネでできた整腸剤を数年間服用し、危うく致死量に
・エジソン・・・・・・コカイン入りワインを愛し、ハイになりながら徹夜で実験の重ねる
・モーツァルト・・・・・・体調不良の最中2リットルもの血を抜かれ意識喪失、翌日死亡
・ルイ14世・・・・・・生涯に2000回も浣腸を行い、フランスに浣腸ブームをもたらす
・・・浣腸はよくわかりませんが、他のはどれもやばすぎますね。まあヒトラーについては、死ねば良かったのにと思う人もいるかもしれませんが。一番同情が集まりそうなのはモーツァルトかな?可哀想すぎです。その次はリンカーンでしょうか。エジソンのはそんなに犠牲者っぽくないというか、楽しんでただろおまえって感じがします。
それ以外にも、瀉血、ロボトミー、食人、ストリキニーネなどの単語が並んでいて、へたしたら帯だけでおなかがいっぱいになってしまうかもしれません。
全部で427ページもあるこの本、いくらなんでも帯に書かれているようなノリのまま最後まで続きはしないのではないかと思うでしょう。全編飛ばしまくりですよ。試しに適当に本を開いてみたら174ページで、そこには「失恋したら心不全になるまで血を抜くべし」と書かれています。
1623年に、フランス人医師ジャック・フェランが恋わずらいを外科手術で治療する方法を一冊の本にしたのですが、患者が心不全を起こすまで瀉血を続けたり、痔核を切除したりすることを推奨しているそうです。なお十分に栄養を取ったぽっちゃり体型の患者向きだとか。こんなの痩せた人にしたら死にかねないものですね。ぽっちゃりでも危ないと思いますけど。
そこそこ分厚くて、最初からずーっと終わりまで面白くて、馬鹿っぽくない本て結構少ないし価値があると思います。夏休みの読書に良いかもしれませんね。
↓ こちらは読んでないけど、↑が好きな人は↓も好きかもしれないと思いました。
いつの日か、吉村大阪府知事も、このような本の1ページに名を残すことになるのでしょうか?