休眠口座と化していた、さくら銀行の通帳

 大学に入って阪神間や神戸に住んでいたのが昔々の話で、当時はメインバンクがさくら銀行だった。さくら銀行と聞いてもわからない人がどんどん増えてきている今日この頃だが、太陽神戸三井銀行さくら銀行に商号変更したのが1992年4月1日で、住友銀行に吸収合併されて三井住友銀行になったのが2001年3月31日だから無理もない。

神戸から奈良に移ったのは既にさくら銀行三井住友銀行となった後だったけれども、奈良と大阪を基盤とする生活では、三菱東京UFJ銀行の方が交通の便の良いところに多数店舗やATMがあって便利で(個人の印象です)、いつの間にか主に三菱東京UFJ銀行を使うようになっていた。

昔みたいに家賃の振込や電話代の引き落とし用に使うこともなくなり、さくら銀行の通帳はひたすら放置されるがまま、引き出しの奥深くで眠り続けていた。

今となってはさくら銀行のあった時代の話など、まるで前世の記憶を辿るが如く曖昧模糊なものでしかないという記憶力の悪さで、どうして家に2冊もさくら銀行の通帳があるのだろう、1冊あれば十分じゃないかと思いながら入出金の記録を読み返し、おそらく片方は引っ越したときに家賃の支払いのために新しく作ったのだろうと、まるで他人事のように推測したりする。

とりあえず、途中から通帳に取引が記載されていないし、一度三井住友銀行に赴かねばならないと最寄りの店舗をネットで調べて、普段使っている三菱東京UFJ銀行から割と近いところに適当な店舗があることに気づいた。

 ATMで通帳記入しようとすると2冊のうちの1冊はできなくて、窓口に来てくださいということになった。受付の人の説明によると、休眠口座になっていたということ。手続きすれば残金は引き出せる。もうこの銀行で通帳2冊は必要ないし、いつまでもさくら銀行の名前の通帳を持っているのも時間が止まったみたいで嫌だったので、2冊を1冊にまとめて、三井住友の新しい通帳を1冊作ってもらうことにした。あの頃使っていた印鑑もなくしてしまっているので、それも登録のしなおし。キャッシュカードも新しいのに変更。古いカードは2枚とも破棄。

特になんということもない気もするのだけど、不思議とリフレッシュした気持ちになった。これもある種の断捨離なんだろう。