ちょっと前に、麻生太郎副総理が、
「あの(ナチスの)手口を学んだらどうかね」
と発言した件が話題になっていました。
これについては、いろんなとこで散々論議しつくされた感があるので触れませんが、
とりあえず、素直な私はナチスの手口を学んでみたくなりました。読んだのがこの本。
- 作者: 武田知弘
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2011/09/20
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アウトバーンやV2ロケットは余りに有名ですが、
オリンピックの聖火リレーもナチスが思いついてベルリン・オリンピックから始められたものであったり、
1936年のライプチヒ見本市で既に公衆テレビ電話が登場していたり、
実用ヘリコプターを最初に完成させて女性パイロット、ハンナ・ライチュにデモンストレーション飛行させてたりと、
今の私達の生活に関わりのあるものの発明も多く、驚きの先進性です。
また、自動車を金持ちの乗物から大衆の乗物にしなければならないと
当時一人の青年技師に過ぎなかったポルシェ博士と「フォルクスワーゲン計画」を立ち上げたり、
労働者に長期休暇や海外旅行の機会を与えたり、
1933年に「結婚資金貸付法」(←無利子)を通して出生率を20%も上げたりと、
労働者思いなことをたくさんしていたようです。
さらに、1936年の時点で労災の補償対象に「石綿症」を追加、1943年にはアスベストに起因する肺がん患者への補償義務を定めています。ちなみに日本のアスベスト対策が始まったのは1975年からだとか・・・
税制は、労働者には大減税、大企業には大増税。自民党はナチスの手口は学びそうにないですね。
また、労働問題についても8時間労働を世界に先駆けて法的に実施しています。
さらに、ナチスは労働者の通勤時間を30分以内にするように指導していたそうです。
ベルリンのほとんどのサラリーマンが、昼食を家に帰って食べていたとか。
なんだか良いとこずくめのように思えてしまいますが、教育のところを読むと、やはりナチスの思想を植え付けるようなところが多く、ちょっと洗脳的で怖い感じがしました。
それ以外にも、ナチス幹部の紹介や、UFOやエスタンジアについてなど、興味深いことが書かれているのですが、とりわけ興味深いのが、ナチスは実は原爆開発に成功していたという説です。p.233から引用します。
またナチスの原爆製造に関しては、スパイ「ベラスコ」の証言というものもある。ベラスコというのは、日本やドイツのために働いていた職業スパイのスペイン人である。
ベラスコによると、ナチスは1944年に原爆を完成させていたという。
当時ナチスは、占領していたチェコのボヘミア地方の原生林の中に実験場を作っており、1942年には、原爆実験をすでに成功させていた。そしてバルト海沿岸の「ペーネミュンデ基地」でナチス製原爆は最終的に完成され、その後ベルギーに移送された。「ゾンデルブーロー第13号」と称される極秘の爆撃機を使いロンドン、リバプールの上空で投下する予定だったという。
しかしヒトラーの命令で投下はされなかった。「死体はもうご免だ」と言って、ヒトラーは中止を命じたという。軍需相のシュペーアも回想録の中で「ヒトラーは原爆を嫌っていた」と述べている。
ユダヤ人虐殺しておきながら「死体はもうご免だ」と言って原爆投下中止したりとか、矛盾してない?と思うのですが・・・。それとも極端に気紛れだったのか。まあ、本当か嘘か確かめようもありませんけれども。
少しだけだけど麻生さんのすすめ(?)に従いナチスのやり口を学んでみたら、奥が深くてびっくりしています(笑)
なお私はファシストでもなければネオナチでもありませんので、念のため。