洋食もカフェ飯も好きなので読んでみた。
昭和の洋食 平成のカフェ飯: 家庭料理の80年 (ちくま文庫)
- 作者: 阿古真理
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/02/08
- メディア: 文庫
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昭和初期~現代までの日本の家庭の食卓の歴史を、テレビドラマや雑誌等のメディアに描かれる食から考察している本。80年程度の年月の間の、日本の食生活の変化の大きさが印象的で、そこからはその時代における性別と役割分担 、ジェンダーの問題なども見えてくる。
巻末の解説を書いた上野千鶴子をして、
食を切り口にすると、こんなにも鮮やかに戦後女性史が描けるのか‥‥‥一読、驚嘆した。
また、
「食べる」ことを切り口にすると、庶民の日常生活の歴史、家族の変貌、主婦の戦後史、台所のエネルギー革命に流通革命、消費と欲望、世代間伝承とその断絶 ‥‥‥がからみあって万華鏡のように浮かび上がる。
と書かせる内容の分厚さで、セレブリティが料理研究家になった昭和中期に始まり、向田邦子の描くちゃぶ台、昭和後期の本格的外国料理志向、90年代の家庭料理バブルの崩壊、2000年以降の食卓の崩壊の再生と続いている。
面白いので割りと一気に読んでしまったが、2012年までの話なので、これはぜひとも続編が読みたくなる内容だ。今も日々、日本の食卓は変化を続けているので。そういえば昨日は沖縄知事選の候補の一人が、「子ども食堂をサポートします」と言っていて、「子ども食堂なんか必要ない世の中にするのが政治家の役割だろうが!」とネット上で反発を受けていた(そらそやろ)が、著者の阿古真理さんなら子ども食堂をどのように書かれるだろうか。
食べ物に関心のある人に、一読をおすすめしたい一冊でした。