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内なるデーモンを育む 心の葛藤を解消する「5つのステップ」

 梅田のLOFT近くの、床面積の一番大きなジュンク堂をうろうろしていたら、気になった本。

内なるデーモンを育む 心の葛藤を解消する「5つのステップ」

内なるデーモンを育む 心の葛藤を解消する「5つのステップ」

聖和書店のサイトによると、

デーモンとは、うつ、不安、嗜癖、恐怖、強迫観念、慢性疾患など、個人の内的平和を阻害するすべての妨害物のことである。


著者は、仏教の教えの基本にある「思いやり」と「利他主義」を、個人的に内的平和をもたらすための手段として用いるよう提案する。そのための具体的な方法として、偉大な女性仏教指導者マチク・ラプドゥンの伝統的な術(すべ)のエッセンスを失わず、かつ現代の西洋社会にも違和感の少ない、現代心理学の方法をも取り入れたやり方を著者は編み出した。それが本章で紹介されている「デーモンを育む」という方法であり、仏教やチベット宗教的行に関する知識を一切必要としない「5つのステップ」からなる。

ということだが、マチク・ラプドゥンといえば、チュウの修行で有名なので、この本の技法のベースにあるのが、チュウの修行ではないだろうかと思う。
『改稿 虹の階梯―チベット密教の瞑想修行』について - 薔薇十字制作室:はてな出張所には、

『改稿 虹の階梯―チベット密教の瞑想修行』の後半部分では、チュウとポアという技法の説明がなされている。


チュウは「切断する」という意味で、チベットの女性行者マチク・ラプドゥンによって練り上げられた行である。チュウは墓地や洞窟、山頂、荒地で行われる。行者は夜、暗闇の中で座り、自分がカルマ(業)の負債を負っている者たち(ブッダ、菩薩、六道の住人たち、魔物、悪霊など)を召喚し、自分の体を切り刻み、供物として捧げる。行者は切断された自分の体を、鍋の中でぐつぐつと調理し、やがて甘露になってゆくのを、意識的に観想しなければならない。


このチュウの技法を読みながら私が連想したのは、法隆寺の玉虫厨子に描かれている「捨身飼虎」の図である。釈尊の前生である薩捶王子が、飢えた虎の親子を助けるために、崖の上から墜落し、虎の餌食となるというものである。チュウも、「捨身飼虎」も、自分のエゴの核となるものを「切断する」ことを教えているのである。

と書かれていて、デーモンというのは、六道の住人たち、魔物、悪霊などのことじゃないかと思った。なおこのチュウの修行は、チベット仏教のみならず、同じくチベットの宗教であるボン教においても教えられていると聞いたことがある。


さらっと読んでみたところ、「内なるデーモンを育む」の本のやり方では、墓地や洞窟、山頂、荒地まで出掛ける必要はないみたいなので、より手軽と言えるだろう。