以前に少し読んだ本だけど、近くの図書館に
「翻訳できない世界のことば」
が入っていたので借りてきた。
他の国の言葉には一語で対応する言葉がない単語を集めた本で、たとえば日本語からはWABI-SABIが掲載されている。
サンスクリット語のKALPA(宇宙的なスケールで、時が過ぎていくこと)や、ポルトガル語のSAUDADE(心の中になんとなく、ずっと持ち続けている、存在しないものへの渇望や、または、愛し失った人やものへの郷愁)は、聞いたことのある人も多いかもしれない。
イタリア語のCOMMUOVEREは、涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなることを意味するそうで、ドラマチックなイタリアらしいと思った。
ハンガリー語のSZIMPATIKUSは、「誰かと初めて出会って、直観的にその人が良い人だと感じる時、その人はSZIMPATIKUSだと表現する」そうだけど、そういう感じ方をすることって、どの国の人にもありそうで、どうしてハンガリー語だけが一語の単語でそれを表すことを知ったのかと思うと、なんだか不思議な気分になる。
言葉のイメージに溢れる本であり、良質の絵本でもあるので、寝る前にぼんやり本を眺める習慣のあるような人には、一読をおすすめしたい。