明治維新で変わらなかった日本の核心、という本を読んでいました。
猪瀬直樹と磯田道史の対談で、主に鎌倉時代~室町時代~戦国時代~江戸時代と、日本社会で何が変わって何が変わらなかったのかということをテーマに、興味深い話が続いていきます。鎌倉以前の話もあるけど、そちらにはそんなにウェイトがない感じ。
そして実は、江戸から明治に変わったけれど、本質的なところは江戸時代のままだったのねというお話。明治維新≠ブルジョア革命。産業を発達させる全ての要素が、江戸時代の日本に既にあったそうです。
ところで、後半の第五章になると江戸に花開いた近代経済というテーマになりますが、奈良公園についての言及がありました。奈良公園の成り立ちをこれまで考えたこともなかったのでびっくり!
磯田 いま奈良公園に行くと、鹿が飛び跳ねていますね。あそこは、じつは廃仏毀釈のときの寺の跡なのです。奈良公園一帯は、もとは僧侶たちのきらびやかなお屋敷都市でした。それを廃仏毀釈のときに、全部ぶっこわしたのです。
磯田 そう。奈良公園は、凄惨たる仏教破壊の痕跡なのです。
いかにものんびりした雰囲気の奈良公園に、そんな凄絶な歴史があったとは・・・
新書300冊計画の53冊目。