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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!


「おれは本棚に向かって歩いていたと思ったらいつのまにか手に取っていた」


な… 何を言ってるのか わからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった…


頭がどうにかなりそうだった…


新刊の本だとか人気漫画家の映画評論だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ


もっと恐ろしいホラー映画論の片鱗を味わったぜ…




 ジョジョの奇妙な冒険のセリフで遊ぶのはこれくらいにして、
ホラー映画は余り観ないほうなのだけれども、この
荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)、タイトル見た瞬間に手に取っていたのは事実。


だってバオー来訪者にしても魔少年ビーティーにしてもジョジョの奇妙な冒険にしても、
荒木飛呂彦氏の作品の中に、ホラー的な要素はたくさん散りばめられているものね。
そんな氏がホラー映画に興味がないわけがない。
ゾンビ映画への評価が高いのも、ジョジョ読者的に納得。


 まえがきでは、ホラー映画の定義と、人はなぜホラー映画を観るべきかが書かれています。
第一章〜第十章まで、ジャンル別にホラー映画の紹介と評論。
いや〜ホラー映画にも多彩なジャンルがあるのですね。 
各章タイトルを引用します。

第一章 ゾンビ映画
第二章 「田舎に行ったら襲われた」系ホラー
第三章 ビザール殺人鬼映画
第四章 スティーブン・キング・オブ・ホラー
第五章 SFホラー映画
第六章 アニマルホラー
第七章 構築系ホラー
第八章 不条理ホラー
第九章 悪魔・怨霊ホラー
第一〇章 ホラー・オン・ボーダー

ね、タイトルだけ見てもなんかジョジョっぽいでしょ?
ジョジョ第一部では、石仮面被ったディオに血を吸われると、
ゾンビ的な吸血鬼になってしまいますし、
切り裂きジャック(ビザール殺人鬼)も登場しますし、
ジョジョ第四部も、舞台となる杜王町は住宅地ではあるけど、
その街の異様さが「田舎に行ったら襲われた」ホラー的な感じがあります。
今名前思い出せないけど構築系ホラーっぽいスタンド能力もあったし、
p.201では、岸辺露伴に、ナインス・ゲートでジョニー・デップが演じる、
古書専門の探偵のキャラクターを少し取り入れていると、著者自ら告白しています。


 このように、読むと荒木飛呂彦氏がどんなホラー映画から影響を受けてきたかがわかるのですが、
そういう見方を置いておいて、ホラー映画ガイドとして読んでも内容が濃いと思います。
もちろん、元々あまりホラー映画を日常的に観ない私の感想なので、ホラー映画大好きな人がこの本を読んで同じように感じるかどうかはわかりません。


 個人的には、観なきゃいけない映画が増えたな〜というのが正直な感想です。冒頭で紹介されている

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とか。


いずれも本の中で紹介・解説があった映画です。
まとめて一気に観ようとすると怖い夢を見そうなので、
少しずつ観ていこうと思います…(笑)

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)
荒木 飛呂彦
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というわけで、新書300冊計画の30冊目でした。
これは本気でお勧め。