魯迅の阿Q正伝の漫画版が図書館に置いてあったので、借りてさらっと読んでみた。
- 作者: 魯迅,バラエティアートワークス
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2009/03/31
- メディア: 文庫
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・明日
・髪の話
・狂人日記
・阿Q正伝
の5話が収録されている。いずれも中国清朝末期〜辛亥革命〜中華民国初期の頃のお話。
「藤野先生」に出てくる纏足の話とか、ちょっと読んでて背筋が寒くなってくるし、
狂人日記は内容自体が怖かった。人肉食への恐怖と、発狂することへの恐怖。
漫画では表現しきれないところと、漫画だからこそ伝わりやすいところと、両方がある。
当時の服装や街の感じなどは、絵で見ることができる漫画のほうがずっとわかりやすい。
でも許されるセリフやナレーションの量は限られてくる。
この漫画を読んでも小説の阿Q正伝を読んだことにはならないけど、
魯迅の描こうとしたものの雰囲気を感じるには、良いような気がする。
魯迅を読んだことのない人がこの漫画を読んだら、小説も読みたくなるのではないだろうか。
その意味で良い入門書かもしれない。