今週のお題「卒業」小学校の校歌、中学校の校歌

 卒業式のシーズン。卒業式には校歌を歌うものだけど、大人になってしばらくたつと、あんなに繰り返し聞かされたり歌わされたりした校歌も、段々と忘れてしまった人も多いだろう。


私の場合、中学校の校歌を思い出そうとしても、すぐには思い出せない。といっても完全に忘れたのではなく、小学校の校歌と混ざってしまうのだ。どうしてそうなってしまうのだろう。私の推論は以下の様なものだ。


校歌というのも一つのジャンルであり、校歌向けのメロディーやコード進行というものが存在する。ちょうど演歌やロックやボサノバに、特有の音階やコード進行があるように。その結果、どうしても一つの校歌は、別の校歌に類似のものとなってしまうのだ。同じ時代のポップスのヒット曲同士が似てしまうように。


すると、年月が立つにつれ、ある校歌と別の校歌の間の境界線が、少しずつ薄くなっていく。これが卒業後も何かの機会に聴いたり歌ったりする曲であれば、その時に再修正されるはずだが、早稲田大学や慶応大学のような有名大学や、強豪野球部を擁する甲子園の常連の高校等ならともかく、地方の小学校や中学校の校歌を卒業後に聴く機会など、まずない。結果は、脳内で流れる、AメロとBメロが混ざった謎の校歌、というよりも、どこで混ざっているのかも段々確信が持てなくなってくる、謎の校歌である。