新書がベスト 小飼 弾

 発売からちょっと時間の経った今頃になって、小飼 弾氏の「新書がベスト」を読んだ。

新書がベスト (ベスト新書)

新書がベスト (ベスト新書)

要するに、読書するなら新書に限る、という主張の本。
この本自体が新書で出版されていて、「出版社の宣伝本ではないか?」とも思うが、
書かれていることはなかなか個性的である。


本を買う前に本棚を求めよ、とか。普通新書のような小さな本を勧める人が言わないことを言う。
著者の新書読書の勧めは、勧める冊数が普通ではないのだ。まず300冊買え、とか平気で言う。
30万円って、テレビを大きな液晶テレビに買い換えるのと同じくらいの金だから、
それなら新書を300冊読んだほうが、自分の脳内を充実させられると。


そして、図書館だと借りただけで読まなくても金を損するというリスクがなくて読まないから、
書店で本を買うべし、それもamazonとかじゃなくて町の書店でさくっと300冊、という。
そんなことしたら持ち帰りが大変である。駐車場の近い書店を探しておかないとね。
それも、商業施設の上の階に入ってるようなとこは疲れるね、きっと気分は引越し屋だ(笑)
自転車だったら、トレーラーでも引っ張るしかない。


まるで書店と出版社の救世主のような論者だ(笑)実行される方が何人いるかは知らないけど。


それもこれも、新書という本の持つ性質によるらしい。
新書は大きさ形が揃ってるので、たくさん買っても比較的邪魔にならないし、
安くて小さいからハズレを引いてもそんなに落ち込まずに済むし、
新書にしてもらえるのは内容のある本であることが多いというのが著者の主張。


そういえば、そもそも新書ってなんなんだろう?と思ってwikipediaで調べてみた。
新書-wikpedia

新書(しんしょ)とは、新書判(173×105mm、およびそれに近い判型)の叢書・本である。漫画文庫が「文庫」であるのに対し、単に「新書」といった場合、新書判コミックスは含まないのが普通。Cコードの発行形態区分は2。叢書名としては、「新書」以外に「ブックス」「ノベルズ(ノベルス)」などがよく使われる。

要するに、大きさなんですね。また、はてなキーワードの新書の項にはこう書いてあります。

 わが国の出版界で新書という場合、本の大きさや造本上の体裁を示す言葉であったり、ある特定のシリーズ物の固有名詞であったりとその用法は様々である。事実、わが国の新書の草分けを自他共に認める岩波新書が登場した1938年(昭和13)年以前にもいくつかの新書版の本はあった。しかし、新書という名称がシリーズ物として広く出版界で認知されるようになったのは、第2次大戦後のことである。その定義については数多くの見解があるが、大方のみるところは、


・カバーや見返しの有無に関係なくペーパーバックスである
・判型はB6判より小さい40判(B全判から片面40ページが取れる大きさ)が基本だがその変形もある
・初版部数がある程度見込まれる廉価本で、ページ数は200前後
・定期かつ継続的に出版できる一般啓蒙書で読みやすさを重視
・書下ろしが原則で、対称とする分野は各種の解説・読物から随想まで間口は広い
・単発的なベストセラー狙いではなく、どちらかといえばロングセラーを指向


などが条件となっている(*2)。したがって叢書とかブックス、時には文庫と銘打つ新書もいくつかあるし、またその反対に四六判やA5判で新書と銘打ったものも少なくない。そこで本稿では変形を含むB40判で廉価な一般向けの本を新書の定義として考察する。http://www.azumabooks.co.jp/hon3_index.htm

大きさ、安さ、ページ数、読みやすさなどが新書の条件と言ったところですね。


 「新書がベスト!」の話にもどりますが、新書をレーベル別に次々と斬ってる後半部分は、
凄くエンターテイメント的に楽しめました。この人は、本当にたくさん新書を読んでこられたのだなと思いました。
あと、自宅の書棚の写真も圧巻、個人で3万冊を所有するってなかなかたいへんなことです。
私はそこまでの本に対する愛情も執着も持てないので、電子書籍の発展に期待したいと思います(爆)


じゃあ私も300冊くらい、と思いましたが、買う前に家にあるのに読んでない本がたくさんあるので、
まずはそちらから手をつけることにいたします…(笑)とりあえず、新書読んだ1冊目この本ということで。
(勿論これまでに何冊も新書は読んでますが)