地震がくるといいながら高層ビルを建てる日本

 タイトル見て読むことにしたのですが、建築関係の本ではありませんでした。
スウェーデン人の夫と結婚し、ヨーロッパ生活が長い著者が日本とヨーロッパを比較した本。

地震がくるといいながら高層ビルを建てる日本 (講談社プラスアルファ新書)

地震がくるといいながら高層ビルを建てる日本 (講談社プラスアルファ新書)

はっきり言って、海外生活をテーマにした本をそれなりに読んできた人であれば、たいして目新しいことは書かれていません。2008年に出版された本ですが、これくらいの内容の本は、1980年代から出回っていたように思えます。


また、日本人とヨーロッパ人を比較しているのですが、著者が1942年生まれということで、ヨーロッパが異文化なのは当然なのですが、著者が当たり前と思ってきた日本の姿自体が、自分にはどこか遠くの国のように感じられる部分もあって(夫婦関係とか特に)、自文化と異文化の比較本というよりは、異文化同士の比較本のように感じられます。また、著者にとってのヨーロッパの大部分が彼女の夫なので、やはり古い世代のヨーロッパ人。今のヨーロッパの若者を知る上でどれくらい参考になるかはよくわかりません。変化の激しいこの世界で。


ちょっと昔の日本人がちょっと昔のスウェーデン人に嫁ぐとこんな感じだったのか〜と、どちらかというと歴史の勉強のようかな。プロヴァンスの人は日本人と同様に虫の音を音楽のように聴く、という話はたいへん興味深かったです。


しかし、ヨーロッパ式カップル社会って嫌だね。ヨーロッパに生まれなくてよかった。


というわけで、新書300冊計画の13冊目でした。